沖縄県の南城市にある小さな島、久高島(くだかじま)は、琉球王国の神話や伝統を色濃く受け継ぐ「神の島」として知られています。その豊かな自然と深い文化の中から多くの特産品が生み出されています。それらは、まさに「神々の贈り物」と呼ぶにふさわしいものです。久高島がなぜ「神の島」と呼ばれる聖地なのか。久高島を象徴する特産品「イラブー」と「久高島の塩」を通じて、島の魅力をご紹介します。
久高島は、琉球神話の創世神「アマミキヨ」が最初に降り立ったとされています。島全体が神聖な場所と見なされ、多くの祈りの場が点在しています。こうした信仰の風景は、琉球文化の原点とも言えるものです。
琉球王国時代には、この島で生み出される特産品が王府への献上品として珍重されていました。それらは単なる物質的な価値を超え、神聖な島の力を宿した「特別な恵み」として人々に受け継がれてきました。現在もその伝統と自然の力が融合した特産品は、多くの人々を魅了し続けています。
イラブー(エラブウミヘビ)は、久高島では「神の使い」とも云われ、琉球王国時代、王府への献上品として扱われた高貴な食材です。道具を一切使わない手づかみの漁が特徴で、捕獲されたイラブーは燻製に加工され、長期保存が可能となるだけでなく、旨味と香ばしさが最大限に引き出されます。「イラブー汁」は、特に滋養強壮のための伝統料理とされ、1年に2回食べると風邪を引かないといわれています。
久高島の塩は、沖縄の海と太陽の恵みが生み出した特別な塩です。琉球神話でアマミキヨが降り立ったとされる久高島は、古くから神聖な土地として人々に敬われてきました。この島の澄んだ海から採取された海水を用い、自然の力を活かして作られる塩は、豊かなミネラルを含み、美しい白さと深い味わいが特徴です。その丁寧な製法が自然の恵みを一粒一粒に閉じ込めています。
沖縄では塩を「マース」と呼び、単なる調味料にとどまらず、古来より厄除けや清めの役割を果たしてきました。儀式や祝い事に欠かせない存在として、特別な場面や空間を清めるために使われることも多くあります。こうした文化的な背景も相まって、久高島の塩は沖縄の伝統と自然が織りなす象徴的な一品となっています。
久高島の自然と歴史に育まれたこの塩は、料理の味を引き立てるだけでなく、日々の暮らしに豊かさと特別な物語を届けてくれる存在です。
沖縄CLIPマルシェの久高島特集